「ついにパンドラの箱が開いてしまった」

 まるで映画のように繰り返して映し出される、飛行機の衝突とビルの崩壊。竹田津が最も恐れていたことが、ついに現実に起こってしまった。

 竹田津はそれまで放蕩そのもの、といっていい生活を過ごしてきた。というのも「1999年7月に人類は滅亡する」と洗脳されていたからだ。どうせ 滅びるんだったら、何をやっても無駄、そんな気分が竹田津を支配してきた。だから、1999年7月が過ぎ、2000年、2001年と年が経つにつれ戸惑い を隠せなかった。しかし、そんな中でも竹田津は注意を怠らずにいた。しかし、まさかニューヨークで事件が起こるとは思ってもいなかった。

「THE END OF ASIAか」

 竹田津はそれこそ何千回聞いたか分からない一番好きな曲、YMOのFAKER HORIC NEWYORK SIDE最終曲のタイトルを思わず口にした。パンドラの箱が開いて最後に残ったもの、それはアジアの果ての最後の「希望」。

 そして竹田津は自習室に次のメッセージを書き込んだ。


No.145/YMO「公的抑圧」からギターが消えた理由の個人的解釈
投稿者/ taked2@1000 -(2001/09/19(Wed) 16:54:25)


    > 「東風」はいいですよねぇ
    > 私は「RYDEEN」、「テクノポリス」もすきですね
    > YMOは最近知ったんですが(ディスコミで(笑)*1)CDレンタルして聞いてはまりましたわ(笑)

    いやあ、YMOは聴かないかんよ((C)しなりさま。ゴメン)。

    私の世代ってYMO直撃世代でして、ヒマな時は、ほぼ頭の中を楽曲がぐるぐるしておりました。
    私が特に好きなのは初期の第1回ワールドツアー前後でして、まだアルバムに「フュージョン」と書かれていた時期です。今だとドラムって打ち込みが普通だと 思いますが、いやあー、叩いてますもんね、実際。やっぱり人間が叩かんとグルーブ感がでませんわ。

    で、実は第1回ワールドツアーの時のライブアルバムって「公的抑圧」(Public Pressure)が発売されたのですが、実はこのアルバムって「問題あり」なのです。というのもツアーメンバーにゲストとして渡辺香津美(ギター)が参 加していたのですが、このアルバムではギターのトラックがカットされてシンセがかぶさっているんです。しかも「遺憾ながら、日本コロンビア株式会社の意向 により、ギターのチャンネルを一切、カットいたしました事を御了承下さい」って注意書きまで。これは渡辺香津美が所属していたレコード会社(日本コロンビ ア株式会社)とYMOが所属していたレコード会社(アルファレコード。ちなみにアルファシステムとは何の関係もない...でしょ?)の間で問題があったそ うです(といわれてますが、個人的には違う解釈をしています...後述)。

    それからしばらくしてYMOが散開した後の後になって、渡辺香津美のパートをそのままにした「Faker Horic」っていう2枚組がでました。まさか生きてるうちにこんなものが聴けるとは思いませんでしたわ、いや、ホント。で、それを聞いてみたとき個人的 に「ギターが消えた謎」が分かった気がしました。

    いやあ、正直言ってあれって「渡辺香津美ワールドツアー(+ バックバンド・YMO)」ですわ、完全に。客の歓声も香津美のソロが始まると盛り上がってくるし。特に圧巻なのがN.Y Side 最後の「The end of asia」で、これってツアー全体の最終曲でもあるのですが、いやー、もう鬼神のような弾きっぷり。延々、10分近く、アドリブがでるわでるは、天才ギタ リストの本領発揮っていうんですか、渡辺香津美オンステージ( + バックバンド・YMO)って感じで、もう演れども演れども終わらない。ドーパミン出まくりっていうか、ドゥエンデに憑りつかれたっていうか、客も大盛り上 がりで、最後は(高橋幸弘あたりが)ドラムで「もう、そろそろ止めようよ」と叩くニュアンス(?)まで伝わってきます。

    もしあれを当時、つまりYMOが売れ始めた時期に出してたら、まったく印象変わっちゃたでしょうね。だから「ギターを消した」ってのが(あくまでも)個人的な解釈です。

    えーと、だから「YMOは聴かないかんよ」ってことで(苦笑)
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