15.xpWiki ~基本設定編~

さて次に入れるモジュールはxpWikiだ。「いや、うちはWikiなんて必要ないから」って人もいるだろうけど、ちょっと待った。xpWikiを入れるとこんなに便利な事がある。

xpWikiをお勧めする理由

  • 新しいページを追加する際に手間がない
    コンテンツを追加する場合、どうしてる?まあ、picoで用意してるケースも多いだろうけど、ちょっとしたページなのに結構手間がかかることもある。それにpicoの場合は基本的に階層化されたページはいいけど、相互にリンクを張り巡らせた構成のページはつくりにくい。xpWikiだとページを追加するのも楽だし、ハイパーリンクで相互にリンクを張ることも得意。階層的なページを構成することだってできる。
    だから、たとえばリンク集を作るとかFAQを作るとかなんて際に、新たにモジュールを入れる必要がない。なんだったらxpWikiでブログを書くことだってできる。汎用的なコンテンツ管理のベースとして使えるわけだ。
  • 書式が簡単
    いままでホームページでちょっとしたレイアウトのページを作ろうとするとHTMLの知識が不可欠だった。最近ではFCKEditorのようなWYSIWYGエディタを使うことも多いけど、CMSの場合「コンテンツとデザインを分ける」ことは大原則。HTMLを書いたためにデザイン変更する場合にかなりの手間になることもある。
    HTMLを書かないである程度のデザインをしたいのであれば、Wiki書式を使ったほうが便利。HTML覚えるよりずっと簡単だし、覚えておかなければならない書式も少ない。それにHTMLのように「全ての要素が必ず入れ子で閉じていなければいけない」なんてことがないので記述ミスも少ない。コンテンツの更新を誰でもできるようにするとか、マニュアル化したいのであればWiki書式がお勧め。
  • レンダラー機能が使える
    「Wiki書式が使えるといってもxpWiki内だけでしょ」って考えているあなた。実はxpWikiではレンダラー機能を持っているので、他のモジュールでもWiki書式を使うことができるようになる。picoだとフィルターの設定が可能だし、やろうと思えばXOOPSのテキスト入力全てでWiki書式を使うことも不可能ではない(まあ、個人的にはそこまでやるとやり過ぎの感じがしないでもない)。
  • ファイルマネージャとして使える
    xpWikiではページにファイルを「添付」することができる。ファイルの種類は問わない。これをうまく使えばファイルマネージャとして使うことが可能。特にXOOPSでは画像の取り扱いはちょっと考えどころなのだが、xpWikiをフロントエンドとすることですっきりした運用が可能になる。

xpWikiを使う上での注意点

  • 独自のバックアップが必要
    xpWikiではテキストや添付ファイルをMySQL内ではなくファイルとして管理している。そのためバックアップは管理画面で用意されているツールを用いることになる。
  • バージョンアップが頻繁
    xpWikiはとにかくバージョンアップが頻繁だ。機能追加やバグフィックスで、平均1週間に1回はバージョンアップされている。もしこれに追いついていこうとするとかなりの注意が必要。

入手とインストール

xpWikiの最新情報はここを参照のこと。

XOOPSマニア http://xoops.hypweb.net/

最初にパッケージ版を入手して、それから多分TRUST側の最新版があるから、それを上書きしておく(TRUST側のmudules以下。パッケージ版にはclassも含まれているので上書きする位置を間違えないこと)。バージョンが上がった場合のアップデート方法は上記サイトに書いてあるのでよく読んでおくこと。

アップロードしたら、モジュールのインストールをする前にXOOPS_ROOT_PATH/modules/xpwiki/admin/setup.cgiに実行権限(705ぐらい)を与えてブラウザからアクセス。これを忘れるとパーミションの設定ができていなくてインストールに失敗するので注意。

15-1.PNG

その後、モジュールのインストール。インストールが終わったら、まず管理者メニューのxpWikiを選んで「ページ情報DB更新」を行う(「管理用ツール一覧」「データベースシンクロ」を選んでも同じ)。

15-2.PNG

「実行」ボタンを押し、進捗状況に「すべての処理が完了しました。」と表示されるまでは触らないこと。

環境設定

xpWikiの動作環境の設定は、管理者メニューのxpWikiの「環境設定」で行う。

15-3.PNG
  • 凍結機能を有効にする
    これを「はい」にしておくと、編集の終わったページを凍結することができる。凍結状態の変更には管理者パスワードの入力が必要になる(管理者ログインしている時は必要ない)。
  • 管理者パスワード
    XOOPS環境下では管理者パスワードによる認証は必要ないため、「{x-php-md5}!」としてすべて認証不能にしておく。
  • 管理者のサイトURL
    自分のサイトのURLを設定。
  • ページ更新時メール通知する
    不特定多数での書き込みを許可している場合などに「はい」を設定しておけば、ページ更新時に管理者にメールが届く。
  • ディフォルトページ
    ページを指定しないときに表示されるトップページ。「FrontPage」がディフォルト。
  • ページ名の小文字・大文字を区別しない
    ページ名のアルファベットの大文字・小文字を区別するかどうか。「はい」を選択すると「ページ一覧」で大文字と小文字が同じ分類になるが、「いいえ」を選択すると別になる。「はい」にしておいた方がよい。
  • デフォルトのスキン名
    スキン(xpWikiの表示スタイルを設定できるモノ)を選択する。ディフォルトでは次の4つ(実質3つ)が選べる。
    • default,xpwiki
      15-4.PNG

xpWiki標準。defaultとxpwikiは同じスキン。XOOPSテーマ下で表示されるのでインターフェイス的には違和感がない。

    • pukiwiki
      15-5.PNG

pukiwiki1.4単独表示風。このスキンを使うと、XOOPSのテーマ下ではなく単独でxpWikiを表示するようになる。パッと見XOOPS下で動いているとは分からない。

    • lose-leaf
      15-6.PNG

ルーズリーフ調の概観。tDiaryのテーマであり、XOOPSのテーマ下では表示されない。

スキンについてはあとPlainというスキンがサポートサイトからダウンロードできる(ちなみにうちのスキンはPlainをベースにdefaultのツールバーとかを加えたもの)。

  • 参照元を集計する
    ページごとに参照元を集計する機能。「はい」がお勧め。
  • ページコメント機能を有効にする
    これを「はい」にすると、ページにコメントをつけられるようになる。「一般設定」でd3forumのコメント統合の設定が必要。
  • WikiNameを無効にする
    WikiNameというのは「AbcDef」のように2文字以上の英大文字で構成された単語のこと。日本語中心に使うのなら「はい」(つまり無効)にしておく。
  • 更新Pingを送信する
    これを「はい」にすると鬼の様に早くサーチエンジンに更新が載る(ことがある)。
  • ページ名読みで分類する
    これを「はい」にしないと日本語の分類が全部「日本語」になってしまう。
  • ページ名読み取得方法
    ページ名読みで分類する場合の、ページ名読みの取得方法。KAKASIとか選択できたら便利なのだが、残念ながらCORESERVERはセーフモードで動いているので選択できない(起動エラーになる)。その場合は「None」。
  • ページ名読み文字処理エンコーディング
    UTF-8の場合もとりあえず「EUC-JP」にしとく。

一般設定

コメント機能を有効にしたい場合は「一般設定」でd3forumコメント統合関連の設定を行う。あらかじめ「フォーラム」でコメント用フォーラムを作っておくのを忘れないこと。

15-7.PNG
  • コメント統合するd3forumのdirname
    d3forumをインストールしたディレクトリ名。普通は「d3forum」。
  • コメント統合するフォーラムの番号
    フォーラム側で作ったコメント用フォーラムのID。IDの調べ方は「13.d3forum ~基本設定編~ フォーラムの作成」を参照のこと。

ページ権限の規定値設定

xpWikiは最初誰でもページの作成、編集ができる。Helpページを読むと「Wikiとはそんなもの」とか書かれているのでつい信じてしまいがちになるが、PukiWikiとは違ってxpWikiではXOOPSのアクセス権限の設定を流用することができる。つまり、原則編集不可ということも設定可能。これを設定するには「管理用ツール一覧」「ページ権限の規定値設定」から行う。

15-8.PNG
  • 編集権限の設定
    • 下層ページへの継承設定
      「規定値として継承(下層ページで設定できます)」の方が柔軟に運用できるが、全体で統一したい場合は「強制的に継承(下層ページで設定できません)」にする。
    • 権限の詳細設定
      誰でも編集可能なWikiでない限り、「すべてのグループに許可しない」「すべてのユーザーに許可しない」を選択する(うちでは「コンテンツ管理者」グループがあるので「選択したグループのみに許可する」になっているが)。
  • 閲覧権限の設定
    こちらは誰に見られてもかまわないと思うので「すべてのグループに許可する」「すべてのユーザーに許可する」にしておく。