正義なんていらない

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俺は、正義ぐらい胡散臭いものはないと思う。

俺が小さい頃見ていた子供番組の主題歌ってのは、とにかく「正義」が好きだった。仮面ライダーは正義の味方だったし、マジンガーZは「正義の心をパイルダーオン」、機動戦士ガンダムだって「正義の怒りをぶつけろ」だ。昔の番組で、「正義」が歌詞に含まれない主題歌を探す方が難しいんじゃないかな。そんな歌ばっかり刷り込むように聞いて育ってきた子供は、当然、正義が無上の価値観である、と、信じて疑わない。

昔、GAME-DOJOに参加したときに、なんで正義なんてものがあるのか、考えてみたことがある。それは「自分の裏切りを許さないため」だ。人間、自分の裏切りを防ぐことが最も難しい。人間というのは、損得、その日の気分、といった様々なことで、それまで自分が信じていたものを簡単に裏切る。もう、人間の特徴といってもいいぐらいだ。しかし、そんなことをされたら、回りが迷惑する。そのため、正義という、外部の価値観を信奉、強要することで、自分の裏切りを防止する。それほどまで、人間というのは、自分を裏切ることを防ぐのが難しい、悲しい生き物なのだ。

そのため、正義とは独善的である。正義を作った集団にしか通用しない価値観である。また、正義の敵は悪、なのであるから、その敵を殲滅することに、何の躊躇もない。昔の十字軍、魔女裁判など、正義がいかに害毒かという証拠である。今も、アメリカの正義とイスラムの正義が正面衝突中である。正義同士の対決の跡に残るものは、廃墟だけである。デビルマンで、人間の正義とデーモン族の正義がぶつかったため、最終戦争となってしまった。廃墟で飛鳥了はいう、「自分は間違っていた」、と。

正義というものを、絶対の価値観におくことはやめようじゃないか。人間は正義なんかより、もっと信じるに足るものがある。人間の持つ、良心だ。正義なんて外部の価値観に頼ることなく、もっと自分の内部の価値観を信じてもいいんじゃないだろうか。

正義なんていらない。本当にいらない。

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